航空各社、旅客機を貨物輸送に転用へ 収入維持の方策探る

Reuters

発行済 2020年03月26日 16:58

[シドニー/シカゴ 26日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて旅客需要が急減する中、航空各社の間では、旅客機を貨物輸送に転用して収入を維持しようとする動きが出ている。

米デルタ航空 (N:DAL)とニュージーランド航空 (NZ:AIR)は、旅客機を貨物輸送用のチャーター便として利用する方向で検討中だ。ハワイアン航空 (O:HA)は、小型機でハワイ諸島内を結ぶ貨物便を増便した。

国際航空運送協会(IATA)のドジュニアック事務局長は声明で「渡航制限と需要の急減により、旅客輸送事業は成立しない。航空業界にとっては暗黒期だ」と述べた。

IATAの試算では、新型ウイルスの感染拡大で、今年のアジア・太平洋路線の旅客需要は前年比37%減少する見通し。880億ドルの収入減になるという。

シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドの各国政府は、航空会社向けの支援策を発表。この中に、従業員の一時帰休や運航停止を禁じる条項は含まれていない。

一方、米上院を25日に通過した航空会社支援策では、援助を受ける会社に対し、9月30日まで人員削減を禁止することなどが盛り込まれている。

収入源確保と機体の稼働が急務となった各社は、相次いで貨物輸送の強化に乗り出している。