ロシア中銀が50bp利下げ、一段の緩和示唆 大幅なマイナス成長予想

Reuters

発行済 2020年04月25日 01:48

[モスクワ 24日 ロイター] - ロシア中央銀行は24日、政策金利を6.00%から5.50%に引き下げることを決定した。新型コロナウイルス感染拡大と原油価格の急落を受け今年は最大6%のマイナス成長に陥る恐れがあると警告。景気支援に向け一段の緩和を実施する姿勢を示した。

50ベーシスポイント(bp)の利下げはロイターが実施した調査の予想通り。今回の利下げ幅は通常の利下げ幅より大きかった。

ナビウリナ総裁は記者会見で、現在のような異例の事態に見舞われている時は、小幅な措置では十分に対応できないと指摘。「今後の決定会合でも一段の緩和余地はあるとみている」とし、政策金利は5%を下回る可能性もあると述べた。

中銀は3月の前回会合では通貨ルーブル安を反映しインフレ率が大きく上昇する可能性があるとして、政策金利の据え置きを決定。今回の会合では、経済は大幅に悪化するとの見通しを示した上で、「緩和的な金融政策に転換した」とした。

ナビウリナ総裁は、今年のロシア経済は最大6%のマイナス成長に陥る恐れがあると予想。輸出の減少が大きな圧迫要因になるとした。ただ四半期ベースでは、第2・四半期は8%のマイナス成長に陥るものの、早ければ第3・四半期にもプラス成長を回復できるとの見方を示した。

新型ウイルスの感染が拡大する前は、中銀は今年の経済成長率がプラス1.5─2.0%になるとの見通しを示していた。

中銀は今年のインフレ率は目標の4%を上回る可能性があるとしながらも、新型ウイルス感染拡大抑制に向けて実施されているロックダウン(都市封鎖)などの措置で内需が減退していることが圧迫要因になるとした。