9月入学「様々な選択肢検討」と首相、補正予算案可決=衆院予算委

Reuters

発行済 2020年04月29日 12:49

[東京 29日 ロイター] - 安倍晋三首相は29日の衆院予算委員会で新型コロナウイルス感染拡大を受けて一部導入論が出ている9月入学制に関し、「前広にさまざまな選択肢を検討したい」と述べ、検討の対象とする考えを示した。新型コロナ特措法改正の必要性についても否定しなかった。玉木雄一郎委員(立国社)への答弁。

2020年度補正予算案は全会一致で可決された。29日午後に衆院本会議でも可決され、衆院を通過する見通し。その後参院予算委での質疑が予定されている。29日は昭和の日で祝日となるが、土日や祝日に国会で審議が行われるのは、2011年の東日本大震災後以来、9年ぶり。

玉木氏は、学校の休校長期化を踏まえ、「地域や親の所得、オンライン環境などによって教育格差が広がっている。格差を是正するには9月入学、新学期に移行するのも一案だ」と提案した。安倍首相は「社会全体に大きな影響を及ぼすので慎重に、という意見もあることは十分承知しているが、これくらい大きな変化がある中においては、前広に様々な選択肢を検討していきたい」と述べた。

萩生田光一文部科学相も「広く国民の間で認識が共有できるのであれば、私としては大きな選択肢の一つ」と応じた。

玉木氏は現行の特措法は、休業要請に関する命令や罰則規定を欠いている一方、休業補償も盛り込んでおらず「北風と太陽」ともに欠如していると指摘し、改正の必要性を質問。首相は「今の対応で十分終息が見込まれないならば臨機応変に対応したい」と述べた。

5月6日が予定されている緊急事態宣言の解除時期に関連し、首相は「ある程度の、接触機会削減の効果は出ているが、まだまだ8割の削減に至っていない」と指摘、「感染拡大がいつ終息するか、残念ながら専門家にも明確に答えられる人はいない」と述べ、現時点でメドが付いていないとの認識をにじませた。