バフェット氏、米の危機克服力に期待 「残りの人生も米に投資」

Reuters

発行済 2020年05月04日 14:23

[2日 ロイター] - 著名投資家ウォーレン・バフェット氏は2日、自身の米投資会社バークシャー・ハザウェイ (N:BRKa)の年次株主総会で、新型コロナウイルスの世界的流行で米経済と自身の投資が大打撃を受ける可能性を認めつつも、米国が過去の危機と同様にコロナ危機も克服するとの期待感を示した。

バフェット氏(89)は、バークシャーの新型コロナ対応について、苦境に立つ部門に資金を回したり、米航空株を売却するなど数多くの対策を取ってきたと説明。

また、2016年以来実施していない大型買収に引き続き意欲的だと語った。ただ、最近の弱気(ベア)相場をもってしても魅力的な投資対象が見つからないため、2008年の金融危機時のような企業への金融支援は行っていないと述べた。

新型コロナ流行への対応は「壮大な実験」で、景気に対して生じ得る影響は「かなりの幅」があると指摘。ただ、米国は1860年代の南北戦争や100年前のインフルエンザ大流行、大恐慌などの危機を乗り越え、繁栄してきたとし、米国の「奇跡」が再び起きると予想した。

「つきつめれば、何も米国を止められない。残りの人生も米国に投資する」と表明した。

ライブ配信された総会では、株主からの質問にバフェット氏とグレッグ・アベル副会長(57)が2時間半近くかけて回答した。非保険部門を率いるアベル氏は多くのアナリストや投資家から、バフェット氏の後継者となる次期最高経営責任者(CEO)の最有力候補と目されている。

これまでの総会では、チャーリー・マンガー副会長(96)がバフェット氏とともに株主からの質問に答えていたが、アベル氏が代役を務めた。

バフェット氏は、マンガー氏の健康状態は良好で、来年の株主総会への出席を楽しみにしていると述べた。

次期CEOのもう1人の有力候補で、保険部門を率いるアジット・ジェイン氏も総会に欠席した。アベル氏はマンガー、ジェイン両氏に比べ、総会が開かれたネブラスカ州オマハに住居が近い。

バークシャーはこれまで、バフェット氏が職務を継続できなくなったり死去した場合の後継者については取締役会が承知しているとしてきた。