ユーロ圏経済、20年は12.6%縮小も 来年の回復限定的=ECB

Reuters

発行済 2020年06月04日 22:58

更新済 2020年06月04日 23:54

[フランクフルト 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に関連する制限措置が長期にわたり経済の重しとなるため、ユーロ圏は今年、深刻な景気後退に陥り、2021年の回復も部分的なものにとどまるとの見通しを示した。

ラガルド総裁はベースシナリオとして、域内経済が今年8.7%縮小すると想定。新型コロナの感染拡大を抑制する制限措置が欧州の大部分で2カ月超にわたって実施されたためという。

その後、21年には5.2%、22年には3.3%のプラス成長を見込むが、ラガルド総裁はベースシナリオに対するリスクは下向きに傾いていると指摘した。

さらに悪化シナリオでは今年12.6%落ち込む恐れもあるとした。

ラガルド総裁は経済収縮と回復の度合いは「封じ込め措置の期間や効果、所得と雇用への悪影響を緩和する政策の成果、供給能力と内需への恒久的な影響の程度」によって決まると述べた。

またロックダウン(都市封鎖)措置や原油価格の急落を受け、インフレ見通しを大幅に下方修正。今年のインフレ率予想は0.3%と、従来の1.1%から引き下げ、ECB目標の2%近傍を大きく下回る水準に設定した。

2020 2021 2022

GDP growth -8.7% (0.8%) 5.2% (1.3%) 3.3% (1.4%)

Inflation 0.3% (1.1%) 0.8% (1.4%) 1.3% (1.6%)

2020 MILD 2021 MILD 2022 MILD 2020 2021 2022

SEVERE SEVERE SEVERE