米、5月の採用件数が過去最多 レイオフも減少=雇用動態調査

Reuters

発行済 2020年07月08日 01:57

更新済 2020年07月08日 03:09

[ワシントン 7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した5月の雇用動態調査(JOLTS)は、新型コロナウイルス禍で滞っていた経済活動が再開したことを受け、採用件数が2000年の統計開始以来最多を記録したほか、レイオフ件数も減少した。ただこのところの感染再拡大で一部の企業は再び閉鎖を余儀なくされており、先行きへの不透明感は強まっている。

採用件数は240万件増の650万件と2000年の統計開始以降で最多となった。採用率も前月の3.1%から4.9%に急上昇し、最高を更新した。業種別では宿泊や食品サービス関連の伸びが目立ったほか、医療、建設関連なども増えた。

レイオフ・解雇件数は前月の770万件から180万件に大幅減少。レイオフ・解雇率も前月の5.9%から1.4%に改善した。3月には7.6%まで悪化していた。レイオフ・解雇は宿泊、食品サービス業界で大きく減少。小売業界でも減少した。

5月の通常の新規失業保険申請件数は800万件を超えていたが、今回の統計ではレイオフ・解雇件数は約180万件にとどまった。

エコノミック・ポリシー・インスティチュート(ワシントン)のシニアエコノミスト、エリーズ・グールド氏は「5月に失業保険を新規申請した人達の多くが3月、もしくは4月にレイオフされた人達だったことが示唆されている。申請を5月まで待ったか、政府機関が処理しきれなかった申請分を遅れて処理した可能性がある」と指摘。ただ「レイオフが増加し、採用が再び鈍化する恐れがあることが最近の指標で示されている」と述べた。

求人件数は40万1000件増の540万件。求人率は前月の3.7%から3.9%に上昇した。求人は宿泊、食品サービス、小売、建設業で増加。地域別では、他よりも早く経済活動が再開された南部の増加が顕著だった。ただ現在、新型ウイルス感染拡大は南部で最も深刻化している。求人は情報関連産業のほか、連邦政府、教育サービスで減少した。

自発的な離職件数は19万件増の210万件。自発的な離職率は1.6%と、9年ぶりの低水準となった4月の1.4%から上昇した。自発的な離職率は労働市場における信頼感の水準を見極めるために政策担当者やエコノミストが注目している。

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