豪中銀が金利据え置き、ビクトリア州封鎖で景気回復「不安定」

Reuters

発行済 2020年08月04日 13:56

更新済 2020年08月04日 15:45

[シドニー 4日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は4日、定例理事会を開き、オフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.25%に据え置いた。同国第2の規模のビクトリア州で新型コロナウイルスの感染拡大が再び深刻となるなか、経済の回復は一様でなく、道のりは厳しいとの認識を示した。

ロイター調査ではアナリスト16人全員が金利据え置きを予想していた。

中銀は声明で、ビクトリア州での感染第2波による経済的打撃を踏まえ、失業率は今年10%まで上昇し、向こう数年間は現在の7%程度で高止まりすると予想した。

インフレ率については、需給などの緩みを念頭に今後2年間は中銀の中期目標(2─3%)を下回るとみている。

中銀は7日に四半期経済予測を発表する。

ロウ総裁は声明で「豪経済は非常に困難な時期を迎えており、1930年代以来最大の縮小を経験している」と指摘。

景気の落ち込みは予想したほど深刻でなく、国内の大部分の地域で回復しつつあるものの、ビクトリア州が感染第2波による経済的打撃を受けており、全体として回復は不均一で不安定なものとなる可能性が高いと予想した。

国内総生産(GDP)は2020年に6%減少し、翌年は5%増加 すると予想した。

個人消費の低迷が景気を下押ししている。この日発表された第2・四半期の小売売上高は、2000年の物品サービス税(GST)導入以来、20年ぶりの大幅な落ち込みだった。

併せて発表された貿易統計では6月の貿易黒字が82億豪ドルに拡大し、第2・四半期全体の黒字額は234億豪ドルに膨らんだ。

それでもエコノミストは、ビクトリア州の感染拡大で先行きの見通しは不透明になったと指摘する。