インタビュー:自民・石破氏、出馬明言せず 本格的な総裁選を

Reuters

発行済 2020年08月31日 17:04

更新済 2020年08月31日 19:36

[東京 31日 ロイター] - 自民党の石破茂・元幹事長は31日、ロイターのインタビューに応じ、焦点となっている自民党総裁選への出馬には明言を避け、簡素化された選挙のやり方は「党員に対する侮辱」だと批判した。安倍晋三政権の財政・金融政策「アベノミクス」は大きな変更は必要ないとしつつ、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策として消費減税を提言した。

<「あなたも総裁選べます」が党員獲得セールストーク>

石破氏は、自民党が120万人の党員を集めようとしていることに言及。「セールストークが『あなたにも自民党総裁選べます』」であるにも関わらず、「投票権がありませんというのは党員に対する侮辱だ」と語った。

自民党は9月1日に予定されている総務会で総裁選の日程や方式を正式決定する予定。執行部は緊急事態だとして全国的な党員票を行わず、国会議員の投票を中心とした簡素化を検討している。

石破氏は「安倍政権は継続しており、総理が重大な執務不穏ではない。臨時国会が開かれているわけでなく政治空白は生まれていない」と語り、本格的な総裁選の開催を求めた。

報道各社の世論調査によると、次期首相にふさわしい候補者は石破氏が首位に立つ。石破氏は、「安倍さんが辞め、テイストの違う人は誰なのだと思うのだろう。自分は安倍さんにチャレンジしてきたので、ひとえにその実績への評価、期待だろう」と分析した。

<低所得者拡大、消費減税検討必要>

石破氏はアベノミクスについて、急激に変える必要はないと指摘。その一方、新型コロナ対策の経済政策の一環として、消費減税の必要性に言及した。「コロナ禍の影響もあり景気は悪化、低所得層が拡大している。低所得層の可処分所得を増やすため、消費税の役割をもう一度考えることが必要」と語った。減税の財源を確保するため、法人税のあり方や社会保障改革の議論が必要とした。

対立が深まる米中関係については、「困っているアジアの国がマレーシア、インドネシア、ベトナムなど多数ある」とし、日本はこうした諸国と信頼関係を築く必要があると述べた。

政府や自民党内で進む敵基地攻撃能力の保有議論は、「論理の飛躍」だと指摘。「日本だけの判断で攻撃できるのか。米国の要請で日本が攻撃できるのかといった問題がある」と懸念を示した。ミサイル防衛システム自体は保有すべきと強調した。

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