米恐怖指数VIXが急上昇、相場暴落の予兆との見方は少ない

Reuters

発行済 2020年09月04日 11:12

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX、恐怖指数) (VIX)が3日の株価急落を受けて急上昇した。相場乱高下のリスクに保険をかける動きが先行したわけだが、アナリストらは、必ずしも市場暴落の予兆ではないと指摘する。

VIXは3日、7.03ポイント上昇し、終値ベースで約10週間ぶりの高水準である33.60で終了。1日の上昇幅としては6月11日以来の大きさだった。

VIXとS&P総合500種 (SPX)は歴史的に反対方向に動く傾向があったが、最近はそのパターンが崩れ、ともに上昇していたため、投資家の間で警戒感が強まっていた。

3日のVIXの急上昇で連動する上場投資信託(ETF)も大きく動いた。 プロシェアーズ・ウルトラVIX短期先物ETF (P:UVXY)は20%急騰し、プロシェアーズ・ショートVIX短期先物ETF (P:SVXY)は6.8%下落した。

資産運用大手ブラックロックのグローバル・アロケーション・ファンドの運用責任者、リック・リーダー氏は、3日の相場急落の前に投資家は、市場が高値を更新し続けると見込み、コールオプション買いに走っていたと指摘。

「過去1週間ぐらいのコール買いや高い価格で買い続ける動きは、かなり異例の大きさに膨らんでいた」とし、「その一部が即座に手じまわれた」とした。

チャールズ・シュワブ(テキサス州オースティン)のトレーディング・デリバティブ担当バイスプレジデント、ランディー・フレデリック氏は、VIXの急上昇は相場暴落の予兆ではないと分析。