米経済、コロナ禍からの完全回復に約3年必要=NY連銀総裁

Reuters

発行済 2020年09月30日 01:23

更新済 2020年09月30日 06:00

[29日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日、米経済は新型コロナウイルス禍から予想より力強く回復しているとしながらも、経済が力強さを完全に回復するには3年程度かかるとの認識を示した。

ウィリアムズ総裁は「最大雇用をできるだけ早期に回復したい」とし、米経済は「向こう約3年間で」力強さを取り戻し、完全雇用に近い状態になる可能性があると述べた。

ただ、数年間は「多くの不確実性が明らかに存在する」とした。

財政支援の欠如も経済回復を弱らせると指摘。「経済は非常に良い軌道に乗っていると思う。ただ、財政刺激策がこの軌道に影響を及ぼすかもしれない」とした。

来年にはワクチンなど新型コロナ治療薬が開発される可能性があり、これは消費者が安心して社会活動に従事できるようにする上で重要と強調。そこに至るまでには消費者や企業を支援する財政支援の拡充が必要だとした。

また、前回の景気拡大期には予算制限によって回復が鈍化したため、州政府や地方自治体を注視することも重要になると語った。

さらに、インフレ率が望ましいとされる水準を下回っていた時期との均衡を取るために、「米連邦準備理事会(FRB)は意図的に、インフレ率を一定期間オーバーシュートさせる必要がある」と述べた。

その上で、2%超のインフレ容認の成功は「算術や公式に基づくのではなく、インフレ期待が鍵を握る」と強調した。