【日本の未来を考える】学習院大教授・伊藤元重 株価の高値が不気味だ

Sankei Newspaper

発行済 2021年01月17日 20:00

【日本の未来を考える】学習院大教授・伊藤元重 株価の高値が不気味だ

 コロナ危機による世界のGDP(国内総生産)の落ち込みは、1930年代の世界大恐慌以来である。世界大恐慌は10年以上も続いた。その背景にはFとGの問題があった。Fとは金融、Gとはグローバル化のことである。大恐慌が長期化したのは金融の混乱や保護主義の広がりが経済に悪循環を引き起こしたからだ。コロナ危機による経済的停滞が長期化しないためには、FやGでの混乱が起きないことが重要となる。その意味で金融危機が起きていないのはありがたい。株式市場は好調で、債券市場でリスクスプレッドの広がりも見られない。経済にある種の安心感を与えている。

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