ゲームストップ乱高下、市場全体への影響注視=今週の米株式市場

Reuters

発行済 2021年01月31日 10:43

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米株式市場では、個人投資家の買いを背景に急騰しているビデオゲーム販売のゲームストップなどの激しい値動きが、市場全体のボラティリティーの前ぶれではないかとの懸念が浮上している。

このところ個人投資家とヘッジファンドの攻防が続くゲームストップは、29日までの1週間で400%急騰した。

一部の市場関係者は、同社やアメリカン航空、空売り残高が多いその他の銘柄の値動きについて、米連邦準備理事会(FRB)の政策や政府の新型コロナウイルス追加経済対策への期待、ワクチン接種に伴う景気回復への期待に支えられた株高の中で副次的な動きとみている。

パウエルFRB議長は27日、FRBの超低金利政策と大規模な債券買い入れが資産バブルにつながっているとの指摘に賛同しない立場を示した。

しかし、FRBの金融政策が過剰なリスクテークを促したのではないかという一部の投資家の懸念は払しょくされていない。S&P総合500種は昨年3月以降66%上昇し、株価は過去20年間で最も割高な水準付近にある。

DAダビッドソンのウェルスマネジメント調査部長ジェームズ・レーガン氏は、ゲームストップ株などの値動きについて「間違いなく懸念材料だ」とし、「少なくとも相場調整の可能性があることを考慮する必要がある」と述べた。

また、こうした動きと20年前のIT(情報技術)バブルの類似点を指摘し、「一部の投資家が異常な値上がりを追い求めていること自体、ドットコムバブルを彷彿とさせる」と語った。

米投資家の心理状態を数値化したシティグループの「パニック・ユーフォリア指数」が陶酔状態の高まりを示すなど、株高の行き過ぎを警告するサインは既に一部で点滅している。