英中銀、マイナス金利導入に「最低でも半年」 金融政策を維持

Reuters

発行済 2021年02月04日 23:24

更新済 2021年02月05日 01:00

[ロンドン 4日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は4日に開催した金融政策委員会(MPC)で、年後半の景気回復を想定しているとし、現行の金融政策を予想通り維持した。また、マイナス金利導入に備えるため少なくとも6カ月は必要との認識を示した。

これを受け、市場ではマイナス金利導入の見方が2022年2月に後退。ポンドが対ドルで0.5%上昇したほか、英10年債利回りは昨年3月以来の水準に上昇した。

英中銀はこの日、HSBC、ロイズ、バークレイズなどの金融機関が英国初となるマイナス金利導入に対し、どの程度備えているかを検証した結果を公表した。

ブラックロック・インベストメント・インスティテュートの英国担当チーフ投資ストラテジスト、ビバク・ポール氏は「マイナス金利導入による非常に現実的な課題が引き続き存在しており、年内に導入される可能性は依然として低い」とした。

英中銀は、マイナス金利導入を意図しているというメッセージを送ることを望んでいないが、「将来的に必要であればマイナス金利を導入するための用意を開始することが適切」とした。

ベイリー総裁は会見で「こうした決定や行動から金融政策委の将来の行動を読み取ろうとすべきではないと言いたい」と慎重な姿勢を示した。

英経済については、2021年第1・四半期におそらく4%縮小するだろうが、通年では新型コロナウイルス危機前の水準に向かって急速に回復すると想定。今年の経済成長率予想を5%と昨年11月時の7.25%から引き下げる一方、22年予想は6.25%から7.25%に引き上げた。