ECB当局者、利回り上昇への対応巡り温度差 11日に理事会

Reuters

発行済 2021年03月04日 00:08

更新済 2021年03月04日 04:18

[フランクフルト 3日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会の開催を来週に控え、当局者らは3日、金融市場の混乱の引き金となった債券利回り上昇への対応を巡って発言を行ったが、それぞれの主張には温度差が見られた。

理事会のメンバーのデコス・スペイン中銀総裁は、利回りの上昇が正当化されず、ユーロ圏の景気回復に支障をきたすとしてハト派の議論を展開。「名目長期金利の上昇は長期インフレ期待の上昇を伴っていないため、経済活動、ひいてはインフレにマイナスの影響を及ぼす恐れがある」とし、「こうしたことは、名目金利の尚早な上昇を防ぐことが重要であることを如実に示している」と発言した。

また、一段の利下げは提唱しなかったものの、「インフレ目標達成にまだ長い道のりが残されているため、極めて緩和的な金融情勢を維持する必要性は正当化されている」と語った。