フィリピン中銀、政策金利を据え置き 景気支援とインフレに配慮

Reuters

発行済 2021年03月25日 17:20

更新済 2021年03月25日 23:45

[マニラ 25日 ロイター] - フィリピン中央銀行は25日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を予想通り2.0%に据え置いた。

物価は上昇傾向にあるものの、国内経済は新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う行動規制で打撃を受けており、緩和的な政策を維持した。

据え置きは3回連続。ロイター調査ではエコノミスト13人全員が据え置きを予想していた。

翌日物預金金利と翌日物貸出金利も、それぞれ1.5%、2.5%に据え置いた。

ジョクノ中銀総裁は記者会見で「理事会はインフレ見通しが管理可能で、緩和的な政策スタンスを継続できるとの立場だ」と語った。

最近の消費者物価の上昇加速は主に食料供給に関連した要因が背景にあると分析した。その上でインフレ見通しのリスクは2021年は「ほぼ均衡しているようだ」とし「22年は下振れ」に傾いているとの見方を示した。

中銀の決定について「経済活動と市場の信頼を支えるための重要な財政政策」を補完すると説明した。

インフレ率は2月に4.7%と2年2カ月ぶりの高水準を記録し、ジョクノ氏は向こう数カ月高止まりする公算が大きいと予想した。ただ供給面の影響が緩和されるにつれて総合インフレ率は見通しの期間内に目標とする2─4%へ低下するというのが基本シナリオと述べた。

中銀は物価上昇率の見通しを今年は4.0%から4.2%へ、来年は2.7%から2.8%へそれぞれ引き上げた。

総裁は新型コロナの流行が引き続き需要とインフレ見通しに下振れリスクをもたらす恐れがあると指摘した。