米新規失業保険申請71.9万件に悪化、改善傾向変わらず

Reuters

発行済 2021年04月01日 23:24

更新済 2021年04月02日 02:00

[ワシントン 1日 ロイター] - 米労働省が1日に発表した3月27日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は71万9000件と、前週から悪化した。ただ、新型コロナウイルスワクチン接種の加速や政府の財政出動を追い風に経済活動は持ち直しており、労働市場の改善傾向に変わりはないとみられる。市場予想は68万件だった。

民間雇用調査会社のチャレンジャー・グレイ・クリスマスが発表した3月の米企業人員削減数は3万0603人と、前月から11%減少し、2018年7月以降で最小となった。四半期ベースでも第1・四半期の人員削減数は35%縮小し14万4686人と、19年第4・四半期以来の低水準だ。

ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンのコーポレートエコノミスト、ロバート・フリック氏は「国や地方の経済が再開し、ワクチン接種が加速していることを踏まえると、失業保険申請件数は力強い下方トレンドが継続する見通しで、直近の増加はこうした減少傾向を損なうものではない」と分析した。

前週の数字は65万8000件に修正され、この結果、金融危機に見舞われた2007─09年のピークである66万5000件を一時的に下回った。ただし、健全な労働市場の目安とされる20万─25万件をなお大幅に超えている。何らかの失業給付を受けた人は3月中旬時点で最低でも1820万人に上る。