主要国は大幅な財政出動を 米財務長官、世界経済の乖離リスク警告

Reuters

発行済 2021年04月08日 23:57

[ワシントン 8日 ロイター] - イエレン米財務長官は8日、新型コロナウイルス危機に伴う世界経済の恒久的な乖離リスクを警告するとともに、堅調な景気回復を確保するために主要国が大幅な財政出動を行うべきという考えを示した。

国際通貨基金(IMF)と世界銀行の運営委員会の会合で、新型コロナの流行、気候変動、高額な債務負担に取り組む途上国を主要経済国が引き続き支援する必要があると表明した。

「コロナ危機で所得格差の拡大傾向が強まる中、国内外の道筋に生じる乖離が懸念されているほか、われわれは気候変動という存亡の危機にも直面している」と指摘。「これらの問題は、強力な国際協力によってしか解決することができない」と呼び掛けた。

主要経済国による相当な財政・金融支援を受け、世界経済の見通しは大きく改善する一方、さらなる努力が必要だと強調。米国は1兆9000億ドルの追加経済対策を実施しているほか、大規模なインフラ投資計画にも取り組んでいると述べ、他の主要経済国も同様の行動を取るよう促した。

「不確実性が高く、永久に傷跡が残る恐れもある中、仕事はまだ片付いていない。主要経済国には早期に支援を打ち切ることを避けるだけでなく、堅調な回復を確保するため、何とか大規模な追加の財政支援を行ってほしい」と訴えた。