FOMC議事要旨:識者はこうみる

Reuters

発行済 2021年05月20日 05:02

更新済 2021年05月20日 06:10

[19日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が19日に公表した4月27─28日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、景気回復が急速なペースで継続していることを踏まえ、一部の政策担当者が金融政策の変更を検討し始める用意を示していたことが分かった。ただ、同FOMC後に発表された経済指標で状況が変化した可能性もある。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●緩和縮小への非常に小幅な第一歩

<キャクストンのシニアアナリスト、マイケル・ブラウン氏>

議事要旨を受け、米債利回りが上昇し、米国株には売り圧力が強まったが、過剰反応だろう。議事要旨では常に米連邦準備委員会(FRB)内のタカ派が強調され過ぎるため、市場ではタカ派の発言を過度に重視しがちだ。パウエル議長やクラリダ副議長の発言を確認したい。

ただ、テーパリング(量的緩和縮小)に向けた非常に小幅な最初の一歩であることは間違いなく、FRBが緩和縮小に向かっていることが示された。もっとも経済が再開し、インフレ率が上昇し、回復が加速していることを考慮すると驚きではない。

●量的緩和縮小を8月発表、来年開始へ

<オックスフォード・エコノミクスのチーフ米金融エコノミスト、キャシー・ボストジャンチッチ氏>

米連邦準備理事会(FRB)は、現在の速いペースでの景気回復が継続し、二大責務の達成に近づけば、量的緩和の縮小(テーパリング)を討議すべきか検討している。8月の年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)でテーパリングの計画を発表し、来年初頭に開始すると予想する。

●株高による政策への影響も懸念

<ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、マーク・ルスキーニ氏>

市場はインフレ高進で米連邦準備理事会(FRB)が一段とタカ派的になりはしないかと心配しており、量的緩和の縮小(テーパリング)に関する議論への言及は、そうした市場の不安と一致するものだ。