米5月住宅着工3.6%増、持ち直しも予想に届かず 許可件数減少

Reuters

発行済 2021年06月17日 00:29

[ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省が16日発表した5月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比3.6%増の157万2000戸となり、4月の減少から持ち直した。中古住宅の深刻な供給不足が住宅着工を促した。ただ住宅建設は引き続き木材価格の高騰やその他の建材不足が圧迫要因となっている。市場予想は163万戸だった。

ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンのコーポレートエコノミスト、​ロバート・フリック氏は「資材や労働力の不足により、建設業者が新築住宅の建設増加に苦戦する一方、需要は依然堅調だ。住宅購入希望者は当面、新築・中古住宅ともに在庫が逼迫し、価格が上昇することを覚悟すべき」と述べた。

地域別では中西部、西部、人口密度の高い南部で増加したが、北東部では減少した。

4月の着工件数は当初発表の156万9000戸から151万7000戸へ下方改定された。3月は172万5000戸と、2006年以来の高水準を付けていた。5月は前年同月比で50.3%増加した。

木材は5月上旬に付けた過去最高値から値を下げたものの、卸売物価指数(PPI)によると針葉樹林は5月に前年同月比で154.3%値上がりした。

許可件数は前月比3.0%減の168万1000戸と7カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。前年同月比では34.9%増加。許可件数は着工件数をわずかに上回っており、今後数カ月間の住宅建設の緩やかな増加を示唆した。

最も大きなシェアを占める一戸建て住宅の着工件数は4.2%増の109万8000戸。一戸建て住宅の許可件数は1.6%減の113万戸だった。許可されたが着工されていない件数は5月末時点で0.8%増の23万8000戸と、1999年1月の統計開始以降で最高となった。

変動の大きい集合住宅の着工件数は2.4%増の47万4000戸。一方、許可件数は5.8%減の55万1000戸だった。