FRB、年末にもテーパリング開始可能=サンフランシスコ連銀総裁

Reuters

発行済 2021年06月23日 02:06

更新済 2021年06月23日 04:09

[22日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は22日、年末もしくは来年初めにも連邦準備理事会(FRB)はテーパリング(量的緩和の縮小)を開始する準備が整う可能性があるという考えを示した。

記者団に対し「私は景気回復に強気だ」とした上で、テーパリングの条件となる、最大雇用と物価安定目標への「さらなる実質的な進展」は「われわれの目が届く範囲にあり、今年の終わりから来年の初めのある時期にそこに到達することも可能だと思う」と表明した。

さらに「まだそこまでは至っていなくても、基準に達したときのために準備を始めることが適切」と指摘。住宅市場が過熱しているため、住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れを国債より早く縮小すべきかが議論のテーマになるとし、あらゆる決定は米連邦公開市場委員会(FOMC)に任されているが、住宅ローン市場は十分機能しており、MBS買い入れは住宅ローン金利に直接影響しておらず、むしろ国債買い入れとともに金融情勢全体に影響を及ぼしているとの見解を示した。

また、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が少なくとも米国内では収束しつつあり、経済はFRBの全面的な支援を必要としない時期に近づいているものの、これにより、労働市場が強化されていてもインフレが過熱しない限り、FRBは金融政策の引き締めを行わないと確約した新たな枠組みが撤回されるわけではないとした。

デイリー総裁は需要の回復と供給上の制約が価格を押し上げることでインフレ率が3%を超える可能性があるとした上で、FRBは労働市場やインフレ率に関する今後数カ月間の「不安定」なデータに反応せず、金融政策に関して「堅実」な姿勢を維持する必要があるとし、学校閉鎖やウイルスを巡る懸念、失業保険など労働力の供給を制限している多くの要因が解消されることにより、「今秋には経済の先行きがより明確になると期待している」と語った。

気候変動については、世界経済と金融システムに「重大なリスク」をもたらしており、米国の広範な地域が混乱する可能性があると述べた。