米5月コアPCE価格指数3.4%上昇、29年ぶり高水準 個人消費一服

Reuters

発行済 2021年06月26日 00:57

[ワシントン 25日 ロイター] - 米商務省が25日発表した5月の個人消費支出(PCE)価格指数は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比3.4%上昇した。1992年4月以来、29年ぶりの大幅な伸びで、連邦準備理事会(FRB)の目標である2%を大幅に上回った。

総合指数の伸びも同3.9%と、前月の3.6%から加速した。

昨年春の軟調な物価がベース効果をもたらし、前年比の伸びを後押しした。ベース効果は5月にピークに達したとみられるものの、供給制約や人手不足で賃金が上昇していることから、物価の高止まりは当面解消されない見込みだ。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「年後半にベース効果が弱まるとはいえ、経済の再開が続き、サプライチェーン(供給網)が圧迫される中で需要が緩和されるとは考えにくく、インフレ率は堅調な伸びが続くだろう」と述べた。

FRBのパウエル議長は今週の議会証言で「インフレ率がここ数カ月で目立って伸びた」と認める一方、「インフレを巡る懸念を理由に、性急な利上げは行わない」と明言した。

5月の個人消費は前月比で変わらず。前月分は当初の0.5%増から0.9%増に上方修正された。エコノミスト予想は0.4%増。内訳では娯楽や飲食、宿泊などサービスの消費が増加。反対にモノの消費は減少した。