ECB総裁、指針変更で譲歩や説得 緩和縮小の議論は一層緊迫か

Reuters

発行済 2021年07月24日 01:09

更新済 2021年07月24日 01:19

[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が今週の理事会で、譲歩や説得を重ね、政策指針変更への支持獲得に奔走したと、関係筋6人が明らかにした。

ECBは22日の理事会で、先行きの政策指針である「フォワードガイダンス」を変更した。今月上旬に打ち出した新戦略に対応するもので、物価の一時的な上振れを容認し、低金利をさらに長期間継続する。

指針の表現を巡り、25人の理事会メンバーの多くが当初反対を主張したが、ラガルド総裁の努力が実り、最終的に反対したのはドイツ連銀のワイトマン総裁とベルギー中銀のウンシュ総裁の2人のみだった。

しかし、当局者間の溝は見かけよりも深いと関係筋は指摘する。理事会では新たな指針の当初案を巡り、インフレ率の上振れを巡る表現が強過ぎるとして、メンバーの約半分から懸念や反対の声が上がった。反対派の大半の意見を受け入れるために、会合中に別の指針案が作成されたという。