米中、首脳会談巡り協議せず 国務副長官が王外相と会談

Reuters

発行済 2021年07月26日 23:25

更新済 2021年07月27日 05:09

[北京 26日 ロイター] - 中国を訪問しているシャーマン米国務副長官は26日、天津で中国の王毅外相らと会談を行った。米政府当局者によると、会談は約4時間にわたったものの、米中首脳会談の実現の可能性は議題として取り上げられず、具体的な合意は何も得られなかった。

米政府当局者によると、シャーマン副長官は会談で、香港、新疆ウイグル自治区、チベットなどにおける中国の行動のほか、サイバー攻撃などを巡る懸念を表明。王外相との会談では、世界保健機関(WHO)が計画している2回目の新型コロナウイルスの起源調査に中国が協力的でないことに懸念を示した。

米国務省は声明で「シャーマン副長官は、米国と同盟国の価値観と利益に反し、規則に基づく国際秩序を阻害する中国の行動に懸念を示した」とした。

政府当局者は「米中が相互に理解できるよう、見解が一致しない部分について協議することが重要だ」とし、「何らかの合意、もしくは特定の結果を得ることは、そもそも今回の会談の目的ではなかった」と述べた。

ホワイトハウスのサキ報道官は、シャーマン副長官の会談では米中首脳会談開催について取り上げられなかったものの、いずれかの時点で何かしらの機会があるだろうと指摘。「バイデン米大統領は対面での外交を引き続き確信しており、長期にわたって提唱してきた」と述べた。