米CDC、住宅立ち退き猶予の復活否定 大統領の要請に「権限ない」

Reuters

発行済 2021年08月03日 01:26

更新済 2021年08月03日 09:09

[ワシントン 2日 ロイター] - 米ホワイトハウスは2日、バイデン大統領が米疾病対策センター(CDC)に対し、新型コロナウイルス禍で家賃が払えなくなった人の住宅立ち退き猶予措置を従来より規模を縮小して復活させるよう求めたが、法的権限がないとして拒まれたと明らかにした。

CDCは昨年、新型コロナウイルスの感染拡大阻止とパンデミック(世界的大流行)下でのホームレス防止のため、住宅立ち退き猶予措置を導入。7月31日に期限を迎えた。最高裁は6月、同措置の延長には議会の承認が必要との判断を示していた。

バイデン氏は議会に延長するよう要請し、下院は7月30日、同措置を10月18日まで延長する法案の全会一致での可決を目指したが、共和党議員1人がこれを阻止し、頓挫した。民主党のペロシ下院議長は2日、議会の承認なしに同措置を再開するようバイデン政権に求めた。

ホワイトハウスによると、バイデン氏はCDCに対し、新型コロナウイルス感染者の割合が高い地域を対象に、新たな住宅立ち退き猶予措置を導入するよう要請していた。

サキ大統領報道官は「大統領は法的措置の選択肢を断念していない」と表明。「できる限り多くの人が自分の家に住み続けられるよう、大統領はわれわれが有するあらゆる権限と選択肢を検討するよう担当チームに指示した」と続けた。

CDCはコメントを控えた。

サキ報道官によると、バイデン氏はまた、州・地方政府に対し、少なくとも2カ月間は立ち退き禁止令を延長あるいは新たに発動するよう呼び掛けたという。家賃を延滞している人のうち3分の1は、入居者を強制退去から守る独自の措置を講じている州に居住していると説明した。