独ロシア首脳、ナワリヌイ氏巡り対立 アフガン情勢なども協議

Reuters

発行済 2021年08月21日 01:47

更新済 2021年08月21日 03:18

[モスクワ 20日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は20日、モスクワを訪問し、ロシアのプーチン大統領と会談した。メルケル首相はロシアの反体制派指導者で収監中のアレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を改めて要求したが、プーチン大統領は同氏の収監と政治は無関係と反論した。

来月退任するメルケル首相によるロシアへの公式訪問は今回が最後。また、20日はナワリヌイ氏の毒殺未遂事件からちょうど1年となる。

メルケル首相は会談後記者団に対し、「ナワリヌイ氏の釈放を再度求め、われわれが引き続きこの問題に対応していくと明確にした」と語った。

プーチン大統領はナワリヌイ氏の名前を言及することを避けながら、有罪判決は「政治的活動に対してではなく」、横領罪によるものと強調した。

会談では、アフガニスタン情勢やロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに運ぶ油送管「ノルドストリーム2」に関する協議も行われた。

プーチン大統領は、実際にアフガニスタンの大半を支配しているのはイスラム主義組織タリバンだとし、他国は自国の価値観をアフガンに押し付けるべきではないと述べた。タリバン制圧後のアフガン情勢について初の言及となる。

プーチン大統領は、タリバンがアフガニスタンの秩序回復を果たすことを期待しているとしたほか、テロリストの近隣諸国への侵入を防ぐことが重要と語った。