米コアCPI伸び、8月は4.0%に鈍化 高止まり継続も

Reuters

発行済 2021年09月15日 00:57

更新済 2021年09月15日 01:54

[ワシントン 14日 ロイター] - 米労働省が14日発表した8月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比4.0%と、7月の4.3%から鈍化し、市場予想の4.2%を下回った。ただ、人手不足や供給網の混乱など物価の押し上げ要因は解消しておらず、インフレはしばらく高止まりする恐れがある。

前月比でも0.1%上昇と、7月の0.3%から縮小。2月以来、6カ月ぶりの低い伸びにとどまった。

8月の総合CPIは、前月比0.3%上昇と、7月の0.5%上昇から鈍化した。前年同月比では5.3%上昇。7月は5.4%上昇だった。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は一貫して、高インフレが一過性のものであると説明しているが、市場では疑問を投げかける声も根強い。

アバディーン・スタンダード・インベストメンツの次席エコノミスト、ジェームズ・マッキャン氏は「年初のような爆発的な上昇はないにしても、インフレ率は依然として高止まりしており厄介だ」と警戒感を示した。同時に、今後半年間でインフレ率がさらに低下するようであれば、FRBが量的緩和の縮小(テーパリング)に続いて早急に利上げを行うべきだとの声も和らぐと予想した。

内訳では、中古自動車・トラックが前月比1.5%下落し、半年ぶりにマイナスに転じた。処方薬は0.4%値下がり。新型コロナ変異ウイルス「デルタ株」がまん延する中、航空運賃は9.1%落ち込んだほか、ホテル・モーテルも3.3%下げた。

一方、食品は0.4%上昇。ガソリンは2.8%上昇と、7月の2.4%から伸びが拡大した。家具・寝具は2.3%、電気器具は1.5%それぞれ上昇。供給制約が引き続き物価を押し上げた。