パウエル議長、FRB当局者の私的金融取引に不快感

Reuters

発行済 2021年09月23日 13:14

[22日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は22日、ダラス地区連銀のカプラン総裁とボストン地区連銀のローゼングレン総裁が積極的な金融投資を行っていたことに不快感を示し、FRBの倫理規定を徹底的に見直した上で厳格化すると表明した。

議長は21─22日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、倫理規定について「変更する必要があり、そうするつもりだ」と語った。

FRB政策当局者の金融取引を制限する規則は、概して政府職員向けよりも幾分厳しいものの、現在の枠組みは「国民の信頼を実際に維持するという役割を果たすには不十分とみられることが明確になった」とした。

カプラン、ローゼングレン両総裁が職務を遂行できると引き続き信頼しているかとの質問には、「信頼感という点では誰も満足していないだろう。FOMC当局者で、このような問題が提起されるのをうれしく思う者はいない」と述べた。

両総裁を巡っては、多くの米国民が失業し、FRBが金融市場と経済を支援するため大規模な措置を取っていた昨年に株式などに積極的な投資を行っていたことが明らかになり、辞任を求める声が高まっている。

両総裁は倫理担当者が取引を承認したと述べているが、その後、利益相反の可能性を回避するため、9月末までに保有株式を売却すると表明した。

両総裁の報道官は22日のパウエル議長の発言後、コメントを控えた。

パウエル氏は、両総裁の取引について、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などが今月初めに報じるまで認識していなかったとした。

パウエル氏は、地方債を含む自身の保有資産についても質問され、地方債を長年保有しているが、積極的な取引はしていないと答えた。