テーパリング開始巡る条件整う、次の議論に移行を=FRB当局者

Reuters

発行済 2021年09月25日 01:27

更新済 2021年09月25日 03:18

[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の政策当局者2人は24日、米経済はテーパリング(量的緩和の縮小)開始に十分な状態にあると述べた上で、利上げ開始時期や膨大なバランスシートへの対応など次の主要な議論への移行を促した。

クリーブランド地区連銀のメスター総裁とカンザスシティー地区連銀のジョージ総裁はともにそれぞれの講演で、米経済はFRBが掲げる雇用の最大化と2%の物価目標達成に向けて「実質的な一段の進展」を遂げたと述べた。「実質的な一段の進展」は月額1200億ドルの資産買い入れ額の縮小開始に向けてFRBが設定した基準。

メスター総裁はオハイオ州銀行連盟主催のイベントで、11月の縮小開始、来年前半の終了を支持すると表明。一方、ジョージ総裁はシンクタンクのアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)での講演で「FRBの資産保有を追加し続ける論理的根拠は薄れた」と主張した。

パウエルFRB議長は今週21─22日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、緩和縮小を「近く」開始し、22年央までに完了させることが「適切」になる可能性があると指摘。一方で、利上げに向けたFRBの基準である雇用の最大化とインフレ率の持続的な2%の達成はまだ満たされてないとした。

FRB当局者の半数は22年末までに米経済が利上げに関する基準を満たすと想定。メスター総裁はこの日、22年末までには利上げの条件が整うと予想していると語った。