米上院共和党、債務上限凍結に向けた法案採決を阻止 攻防続く

Reuters

発行済 2021年09月29日 06:15

更新済 2021年09月29日 11:46

[ワシントン 28日 ロイター] - 米上院共和党は28日、現行28兆4000億ドルの連邦政府債務上限を22年末まで適用停止とする法案の採決を再び阻止した。会計年度末が30日に迫り、政府の資金繰りが10月18日前後に限界に達するとみられる中、政府機関閉鎖やデフォルト(債務不履行)の回避に向けて残された時間は限られている。

上院民主党トップのシューマー院内総務は、共和党が単純過半数による可決を認めるという条件で、債務上限引き上げ法案の採決を行うことを提案。「共和党が1票も投じることなく債務上限引き上げが実現するのを真に望むのであれば、採決を実施する用意がある」と言明した。しかし、上院共和党トップのマコネル院内総務は、債務上限引き上げには財政調整措置(リコンシリエーション)の手続きを取るべきとの考えを改めて示し、採決を阻止した。

上院は前日にも、債務上限適用を22年末まで凍結する措置と政府閉鎖を回避するためのつなぎ予算に関する法案の採決を共和党の反対多数で否決した。

議会が30日深夜までにつなぎ予算を可決できなければ、政府機関が閉鎖し、新型コロナウイルス危機が続く中で数十万人の政府職員が一時帰休となる。

米議会では深刻な党派分断を映し、債務上限や予算を巡る瀬戸際の交渉が常態化している。予算失効による政府機関の閉鎖はトランプ前政権時代にも起き、35日間続いた。

下院は先週、12月3日までのつなぎ予算を可決。下院民主党ナンバー2のホイヤー院内総務は上院から法案が送られる兆しがあるとして、29日に再びつなぎ予算の採決を行う可能性に言及。ただ、つなぎ予算が議会を通過しても、債務上限の問題が残る。

イエレン財務長官は28日、議会指導部に宛てた書簡で、国債償還や利払いのための資金が10月18日前後に枯渇すると指摘。