中国恒大、ドル建て社債の利払い日再び到来 市場が身構え

Reuters

発行済 2021年09月29日 09:50

更新済 2021年09月29日 13:27

[香港 29日 ロイター] - 経営危機に陥っている中国の不動産大手、中国恒大集団が29日に再び米ドル建て社債の利払い日を迎えるのに伴い、投資家は市場が再び動揺に見舞われる可能性に身構えている。

この日は2024年3月償還債に対する4750万ドルの利払いの期日。同社のオンショアおよびオフショア社債で年内に償還期限を迎えるものは残っていないが、12月28日までにオフショア債に対して計5億4757万ドルの利払いを行う必要がある。

恒大集団は29日、保有する盛京銀行の株式17億5000万株を99億9000万元(15億ドル)で売却すると発表。盛京銀は株式売却による収入全額を同行グループに対する関連債務返済に充てるよう求めているという。

こうした動きは、恒大集団が海外の社債保有者よりも国内の債権者を優先する姿勢を改めて浮き彫りにした。

同社の広報担当者はロイターのコメント要請に応じていない。

同社のオフショア債保有者のアドバイザーは、債権者は様子見姿勢を取っていると説明。先週に続き、おそらく今回も期限までに利払いは実行されないとの見方を示した。ただ、30日の猶予期間があるとして、それは同社に利払いの意向がないことを意味しないとした。

恒大集団の債務不安で今月、世界の株式市場は総崩れの様相を呈した。

その後、投資家の一部は債務上限を巡る米議会の攻防や米国債利回り上昇に焦点を移した。恒大が負のサプライズをもたらした場合、株式市場で弱気派が勢いを増す可能性がある。