情報BOX:岸田・自民党新総裁の政策、所得倍増計画で分配重視

Reuters

発行済 2021年09月29日 15:12

[東京 29日 ロイター] - 自民党総裁選で勝利し、100代目の首相就任が事実上決まった岸田文雄氏は令和版の「所得倍増計画」を掲げる。成長だけでなく、その果実の分配を重視し、格差拡大が浮き彫りになった日本社会全体の押し上げを目指す。日銀の物価目標2%は維持、数十兆円規模の経済対策を打ち出している。

岸田氏の経歴と、主な政策は以下の通り。

●経歴:1982年早大法卒、日本長期信用銀行入社。87年衆議院議員秘書。93年衆議院議員に初当選。2007年内閣府特命担当相(沖縄及び北方対策など)、11年党国対委員長、12年外相、17年防衛相(兼任)、同年党政調会長。当選9回。1957年7月29日生。64歳。

●金融政策:大胆な金融緩和(および財政政策、成長戦略)によるデフレ脱却を最優先。日銀が掲げている2%の「物価安定の目標」は世界標準だとし、「変えるつもりはない。変えるとおかしなメッセージになる」と指摘した。

●財政政策・税制:数十兆円規模の経済対策。基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標は必要なら先延ばしも検討。消費税について「10年程度は上げることは考えない」と述べるとともに、財政再建の旗は降ろさないとしている。予算の単年度主義是正、金融所得課税見直しも。

●新型コロナウイルス対策:医療難民ゼロ、ステイホーム可能な経済対策、電子的ワクチン接種証明の活用と検査の無料化・拡充、感染症有事対応の抜本的強化──の4本柱。強い司令塔機能を有する「健康危機管理庁(仮称)」の創設。「臨床医療」、「疫学調査」、「基礎研究」を一体的に扱う「健康危機管理機構(仮称)」の創設。