タイ中銀、11回連続で金利据え置き 景気見通し改善

Reuters

発行済 2021年09月29日 18:59

更新済 2021年09月29日 20:00

[バンコク 29日 ロイター] - タイ銀行(中央銀行)は29日、政策金利の翌日物レポ金利を市場の予想通り過去最低の0.50%に据え置いた。据え置きは11回連続。新型コロナウイルス感染防止のための規制緩和やワクチン接種の進展が景気回復を支えるとの見方を示し、今年の経済成長率予測を0.7%で据え置いた。

据え置きは全会一致で決定した。

中銀は声明で「すでに低水準にある政策金利の一段の引き下げよりも、財政措置のほうが有効と委員会は判断した」と説明した。

カシコーンバンクの資本市場調査責任者は、中銀が他の景気支援策の方が効果的と強調したため、当面政策金利は維持されるとの見方を示した。

2022年の経済成長率予測は8月時点の3.7%から3.9%に引き上げた。

外国人観光客については今年が20万人、来年が600万人と見込んだ。

中銀は声明で、経済見通しを巡る不透明感は引き続き大きいものの、「ワクチン接種の進展や想定よりも早い封じ込め措置の緩和が今後の景気下支えに寄与するだろう」とした。

昨年は新型コロナ流行の影響を緩和するため、3回の利下げを実施した。

金融政策委員会のTitanun Mallikamas氏は記者会見で、タイ経済は第3・四半期が底で、その後は緩やかに回復するとの見方を示した。

中銀の政策決定に先立ちアーコム財務相は29日、財政政策と足並みを揃えて経済を支援するため緩和的な金融政策を維持する必要があると述べていた。

ロイター調査では、エコノミスト23人中20人が据え置きを予想、3人が25ベーシスポイント(bp)の利下げを予想していた。