中国の新規融資、9月は予想下回る 社会融資は17以来の低い伸び

Reuters

発行済 2021年10月13日 20:19

更新済 2021年10月13日 22:45

[北京 13日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が13日発表した9月の新規人民元建て融資は1兆6600億元(2576億6000万ドル)と前月から増加したが、市場予想を下回った。

ロイターがまとめたアナリスト予想では、8月の1兆2200億元から1兆8500億元へ増加するとみられていた。前年同月は1兆9000億元だった。

マネーサプライM2の前年比伸び率は8.3%で市場予想の8.1%を上回った。8月は8.2%だった。

9月末時点の元建て融資残高は前年比11.9%増と前月の12.1%から伸びが縮小した。これは2002年5月以来の低い伸び。市場予想は12.1%増だった。

人民銀行は、債務やバブルのリスクに配慮しながら、景気の回復を下支えしている。

不動産ローンを中心とする9月の家計向け融資は7886億元で、8月の5755億元から増加。企業向け融資は9803億元で、8月の6963億元から増加した。

興業証券のアナリストは、「不動産や地方政府債務に対する厳しい規制を背景に、市場は(信用問題で)過剰な期待を抱くべきではない。住宅や不動産融資への規制がいつ緩和されるか、景気悪化に対応する財政政策の程度が重要だ」と述べた。

キャピタル・エコノミクスの推計によると、9月の広義の信用の伸びも引き続き鈍化しており、15年ぶりの低水準に落ち込んだ。「不動産セクターの問題に対して人民銀の政策が一段と支援的になるなか、信用の伸びは今後数四半期のうちに横ばいとなるだろう。ただ遅行状況からタイトな信用状況は当面は経済への逆風となる」と指摘した。