21年度成長率予想を引き下げ、現状判断は維持=日銀展望リポート

Reuters

発行済 2021年10月28日 12:52

[東京 28日 ロイター] - 日銀は28日に公表した経済・物価の展望(展望リポート)で、2021年度の成長率見通しを前回7月の前年度比プラス3.8%からプラス3.4%に引き下げた。部品の供給制約で輸出や生産が減少し、夏場の新型コロナウイルスの感染急拡大でサービス消費が下押しされたことも響いた。ただ、緊急事態宣言の解除で足元では個人消費に持ち直しの兆しがうかがわれていると指摘。国内経済の現状判断は「感染症の影響で引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」として、9月会合での判断を据え置いた。

日銀は輸出・生産について「足元では一部における供給制約の影響から弱い動きになっているが、基調としては増加を続けている」と指摘。9月の決定会合時の「一部に供給制約の影響を受けつつも、増加を続けている」から表現が弱くなった。個人消費については「サービス消費中心に下押し圧力が依然強いが、足元では持ち直しの兆しがうかがわれる」とした。海外経済は総じてみれば回復しているとしたほか、設備投資は「一部業種に弱さがみられるものの、持ち直している」とした。

物価の見通しも引き下げた。5年に一度の総務省の基準改定を受け、21年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の政策委員見通しの中央値は従来のプラス0.6%から0.0%に引き下げられた。