FRBハト派、景気見通しは22年半ばに明確になると予想

Reuters

発行済 2021年11月10日 10:08

[9日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)で最もハト派とされるミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁とサンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は9日、FRBのテーパリング(量的緩和の縮小)完了が見込まれる2022年半ばまでにコロナ禍後の景気見通しがより明確になるとの見解を示した。

見通しがより明確になった時点で金利をさらに1年かそれ以上据え置くか、もしくはより早期の利上げが必要になるかは、インフレ率が期待通りに落ち着き始めるか、また、労働市場に人々が戻ってくるかに左右されるとの認識を示した。

カシュカリ総裁は9日、22年半ばまでには経済見通しがより明確になるとし、利上げ時期について引き続き「オープンマインド」でありたいと述べた。

総裁はウィスコンシン大学オークレア校のイベントで、米国ではコロナ感染が収まりつつあるが、世界全体では引き続きコロナが経済を混乱させており、「経済が発するシグナルはまちまちになっている」と指摘。

賃金は上昇しているが、雇用数は、コロナ危機が発生しなかった場合に見込まれていた水準よりも500万─700万少ないとし、就業者と職探しをしている人の人口に占める割合は61.6%とコロナ禍前の水準を大きく下回っていると説明した。

インフレ率はFRBの2%目標を大きく上回っているが、これはサプライチェーン(供給網)の混乱や経済活動の再開に伴う需要拡大など一時的要因によるものとされているが、当初の想定よりも長期化する可能性があると指摘した。

パンデミック中に離職した人が職場復帰するかどうかについて、向こう3カ月、6カ月、および9カ月でより多くの情報が得られ明確になると楽観しているとし、人々の復職が実現しなければインフレ率が今後も高水準にとどまる懸念が強まると述べた。

また、デイリー総裁は、労働市場の実態とインフレの行方は22年半ばまで明確にならないとし、それまで忍耐強くなくてはならないとの考えを示した。