Reuters
発行済 2021年11月26日 00:26
[フランクフルト 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が25日に公表した10月27─28日の理事会の議事要旨で、物価動向に関する不確実性が極めて高いため、12月の理事会以降も 政策の選択肢を広げておく必要があるとの見解が示されていたことが分かった。
ECBは10月の理事会で、中銀預金金利をマイナス0.5%に据え置くことを決定。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れ規模の総枠も維持することを決定した。12月の理事会では、PEPP終了の是非について決定すると同時に、他の買い入れプログラムの拡充の是非について討議するとみられている。
議事要旨によると、インフレ高進はおおむね一過性のものと見なされるとの見解が示された。ただ、物価の急伸はこれまでの予想よりも根強いものになり、賃金がこれに調整し始め、インフレ高進が継続するリスクが高まるとの見方が示された。
その上で「12月までに入手されるデータで、中期的なインフレ見通しを巡る全ての不確実性が解消するわけではない」とし、「12月の理事会以降も含め、将来的な金融政策措置を可能にする十分な選択肢を維持することが重要になる」とした。
ワイトマン独連銀総裁やクノット・オランダ中銀総裁らは、インフレ見通しが急速に変化する可能性があるため、ECBは12月理事会以降にも関わる大幅なコミットメントを示すべきではないと主張しており、議事要旨の記述はこうした見解を反映したものと見られる。
どの程度の景気支援が必要になるかについては政策担当者の間で見解が分かれたものの、景気刺激策の継続は必要との見方ではおおむね一致。インフレ高進の方向にリスクが傾いていたとしても、ECBは忍耐強く対応し、尚早な利上げを実施することがあってはならないとの見解が示された。タカ派とハト派の双方が、来年の利上げ実施は早すぎるとの見解で一致している。
が書いた: Reuters
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