アジアはインフレリスク回避で健闘=BIS幹部

Reuters

発行済 2021年12月07日 02:51

[東京 6日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)の調査担当責任者、ヒュン・ソン・シン氏は最近のロイターのインタビューで、アジアは他の地域に比べて供給ショックによるインフレの急上昇を回避するのに健闘し、賃金による物価の急上昇に対してもそれほど脆弱ではないとの見解を示した。

米欧では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によるロックダウン(都市封鎖)から経済が再開するのに伴い、製品に対する需要の急増がサプライチェーン(供給網)ショックを引き起こし、インフレ率を押し上げている。

シン氏は、これらの地域では労働市場が「賃金価格スパイラル」を引き起こすほど引き締まるかどうかが物価見通しの鍵となると指摘。賃金上昇がインフレを定着させるような「賃金価格スパイラル」が起こらない限り、耐久財の価格上昇は短期間に落ち着くだろうと言及した。

「しかし、これはちょっとした時間との戦いだ。もしインフレが持続するなら、当然この種のインフレは賃金設定に影響を与えるからだ」とし、「それが一種のスパイラルを引き起こすのに十分なのかどうかを警戒しなければならない」と述べた。