英中銀が0.25%に利上げ、主要中銀でコロナ後初 インフレリスク指摘

Reuters

発行済 2021年12月16日 22:05

更新済 2021年12月17日 00:36

[ロンドン 16日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は16日、政策金利を0.1%から0.25%に引き上げた。新型コロナウイルス感染拡大以降、主要中銀が利上げに踏み切るのは初めて。さらに、インフレ率が来年4月に目標の3倍の水準となる6%に達する公算が大きいという見通しを示した。

中銀は、労働市場が逼迫し、物価圧力が一段と持続的となっている兆候が見られるとし「オミクロン変異株が短期的な活動を圧迫する可能性は高いものの、中期的なインフレ圧力への影響は現時点で不確定」とした。

ベイリー総裁はBBCテレビに対し「中期的なインフレ動向を懸念しており、それを脅かしかねない状況を確認しているため、行動を余儀なくされた」と語った。

さらに、オミクロン株が「経済活動に影響を及ぼす可能性は確かにある」としつつも、「その影響によってインフレ圧力が弱まるか強まるかは不明で、英中銀にとって非常に重要な要因」と指摘した。

利上げは8対1で決定した。テンレイロ委員が反対した。

ロイター調査では、大半のエコノミストが据え置きを予想していた。

パンテオン・マクロエコノミクスのアナリスト、サミュエル・トムズ氏は「オミクロン株が経済にもたらす影響の全容を把握する前の利上げ決定は、インフレ見通しや、何らかの措置を講じなければインフレ期待が制御不能になるリスクへの懸念を浮き彫りにしている」と述べた。

中銀は新型コロナウイルスのオミクロン株を要因として、12月と来年第1・四半期の成長見通しを引き下げた。

9対0で国債買い入れ枠の8750億ポンドでの据え置きを決定した。社債買い入れ枠も200億ポンドに据え置いた。