米利上げ、アジア新興国経済の回復遅れる恐れ=IMF

Reuters

発行済 2022年01月26日 00:13

[東京 25日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局のチャンヨン・リー局長は25日、米連邦準備理事会(FRB)の利上げによってアジアの新興国経済の回復が遅れ、資本流出リスクを巡る懸念が持続する可能性があると述べた。

ロイターとの書面でのインタビューで、インフレ圧力の高まりや中国経済の減速、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大などもアジア太平洋地域の見通しを曇らせているとした上で、「米国の金融政策正常化がアジアに大きなショックや大規模な資本流出をもたらすとは想定していないが、アジア新興国の回復は世界的な金利上昇とレバレッジによって遅れるかもしれない」と語った。

また、米国のインフレ率が予想以上に高まり、FRBによる「より迅速な、またはより大きな」金融政策の引き締めが必要となるリスクがあると指摘。「このような変化に対する誤解や誤認は、安全への逃避を引き起こし、借り入れコストを上昇させ、アジア新興国からの資本流出につながりかねない」とした。