Reuters
発行済 2022年01月28日 10:56
[東京 28日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局のオッドパー・ブレック副局長は27日、ロイターとのインタビューで、日銀の現行の金融緩和策について、持続可能性を高めるため、利回り目標を10年物からより短い満期のものに移して利回り曲線(イールドカーブ)をスティープ化する措置を検討すべきと提言した。
こうした措置を講じる場合に日銀は、市場に金融緩和の撤回と受け止められることを避けるため、明確なコミュニケーションを図る必要があると指摘した。
「他の先進国経済とは異なり、日本のインフレ率は向こう数年、1%のレンジで推移すると予想している。これは日銀の目標を下回る水準だ」と述べ、「日銀は緩和的な金融姿勢を継続すべきだ」と語った。
ブレック副局長は日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)について「うまく機能してきた」と評価。ただ、「金融部門で多少の副作用も見られている」とした。
日銀は昨年3月、金融緩和の長期化による副作用を軽減するため、長期金利の変動許容幅を広げるなどの手直しを講じた。ブレック氏はこれらの措置を土台に、利回り目標を10年物からより短い年限にシフトさせることで緩和効果をさらに高めることが可能になると述べた。
ただ、「今は実施する時ではない」とも指摘。「政策を強化する、あるいはショックに対応する必要が生じた場合に検討すべきだ」とした。
日本の物価動向については、現在の食品やエネルギー価格上昇は一時的なものになる見通しだが、消費が回復し、企業がコスト高の一部を消費者に価格転嫁できるようになれば、今年はインフレの勢いが強まることになると予想した。
しかし、中期的にインフレ率は日銀の目標である2%を下回る水準にとどまりそうで、現行の緩和策を維持することが求められる。
ブレック氏は、2%の目標を持続的に達成するには金融緩和策だけでなく柔軟な財政政策と潜在成長率の押し上げ策も含む「より広範囲な政策戦略」が必要との見解を示した。
が書いた: Reuters
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