豪中銀利上げ8月以降か、ロウ総裁「CPI統計2回見たい」

Reuters

発行済 2022年02月11日 12:21

更新済 2022年02月11日 13:45

[シドニー 11日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は11日、年内に利上げする可能性はあるものの拙速な行動はリスクを伴うとし、四半期インフレ統計を2回見てから決定する意向を示した。

豪中銀は1日に債券買い入れの終了を決定。ロウ総裁は、経済が予想以上の好調なら年内に利上げする可能性を示唆していた。

ロウ総裁は11日、議会経済委員会で、最近のインフレ高進が持続するか、まだはっきりしないとし、中銀は忍耐強く情勢を見極める用意があると説明。

「この不確実性は早期に解消することはない」と述べ、あと2回、四半期消費者物価指数(CPI)統計を見たいと示唆した。

1─3月のCPI統計の発表は4月27日、4─6月は7月27日に発表される予定。したがって利上げは8月以降の可能性がある。

市場は、現在0.1%の政策金利が6月までに0.25%に上がり、さらに4回の利上げで年内に1.25%に達する可能性を織り込んでいる。こうしたタカ派な見方は、非常に強いインフレ統計を受けて米利上げ加速観測が台頭していることが影響している。

しかしロウ総裁は、米国でみられるインフレ圧力の多くはオーストラリアには存在しないと強調。コアインフレ率が中銀の目標レンジ(2─3%)まで上昇したのはつい最近のことだと指摘した。

賃金の伸びも2.2%と米英の半分足らず。豪中銀は緩和措置を縮小するには3.0%かそれ以上になる必要があるとみている。