NZ中銀、金利をコロナ前の水準に引き上げ 量的引き締めも発表

Reuters

発行済 2022年02月23日 10:56

更新済 2022年02月23日 15:36

[ウェリントン 23日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は23日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.00%とした。インフレや住宅市場過熱の抑制を目指す中、3会合連続で引き上げ、新型コロナウイルスのパンデミック前の水準に戻した。今後引き締めを加速する可能性も示唆した。

ロイター調査ではエコノミスト20人のうち19人が25bpの利上げ、1人が50bpの利上げを予想していた。

大規模資産購入(LSAP)プログラムの下で保有する債券について、償還や管理された売却を通じて段階的縮小を開始する方針も明らかにした。債券償還資金は再投資せず、保有高を年50億ドルのペースで減らす。

政策金利の見通しも引き上げた。2023年3月時点の政策金利は2.57%、24年末は3.35%と予想。昨年11月の予測は23年3月時点が2.3%、24年末は2.6%だった。

今回の政策決定委員会では、50bpの利上げが真剣に検討された。委員らは政策決定を「微妙なバランスを取った決定」と見なしたという。

「委員会は今後数四半期、必要となれば、より大幅な政策金利引き上げをする意向も確認した」とした。

オア総裁は政策会合後の記者会見で、大幅な利上げの必要性を強調。「今後、より大幅な利上げを実施する可能性を排除しない。市場がどう反応するか次第だ」と述べた。

オーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀行のチーフエコノミスト、シャロン・ゾルナー氏は「中銀のトーンはタカ派的で、経済の下振れリスクはインフレ上昇リスクほど言及されていない」と指摘。

「経済活動への逆風は明らかだが、インフレ目標の信頼性を維持するためには、政策金利をかなり容赦なく引き上げる必要がある」と述べた。

ASBバンクのチーフエコノミスト、ニック・タフリー氏も「中銀の予測はタカ派的だ。今回の声明は、11月の声明よりも強いインフレ対応が必要との認識を示し、高インフレが定着するリスクへの懸念も示した」と述べた。