アトランタ連銀総裁、今年6回の利上げ想定 ウクライナ情勢考慮

Reuters

発行済 2022年03月21日 22:32

更新済 2022年03月21日 23:19

[21日 ロイター] - 米アトランタ連邦準備銀行のボスティック総裁は21日、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げについて、今年が6回、23年は2回との想定を示した。ロシアのウクライナ侵攻が米経済に及ぼす影響を考慮し、想定回数は他の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーよりも少ない。

FOMCメンバーの間では、年内の残り6回の全会合全てと、来年は4回の利上げという想定が大勢。

ボスティック総裁は、全米企業エコノミスト協会(NABE)の会合での講演で「高いインフレ率を制御することが、自分にとって今年の最大の関心事項だ」とし、労働需給の著しい不均衡への対処も極めて重要だと指摘した。

ただ「自分の中で高度の不確実性が前面に出ており、極めて積極的な金利の道筋が適切という確信を鈍らせている」とも述べた。

FRBの中立金利を2.25%と想定した上で、年内の利上げを巡る自身の見通しが維持されるかどうかについてあまり確実なことは言えないと指摘。「正当化されるような展開になれば、(利上げが)早まる可能性もあるし、遅くなる可能性もある。あまりに多くのことが起こり続けているように見えるため、リアルタイムで観察し、適応している」とした。

また、雇用市場は逼迫した状態にあり、需給のバランスを取り戻すことが極めて「重要」と言及。一方で、現在の賃金の伸び率は高いものの、全体的には依然としてインフレ率をなお下回っており、賃金の伸びは労働市場の恒久的な特徴というよりも雇用主が物価に追いつくように賃金を設定しようとしていることを反映しているとした。

さらにFRBが過度な高インフレを迅速に抑制することができれば、インフレ期待の高まりを抑えることができるとした。