ルーブル、緊急利下げに反応薄、ロシア株は米制裁で小幅安

Reuters

発行済 2022年04月08日 17:58

更新済 2022年04月08日 19:55

[8日 ロイター] - ロシア中央銀行が8日、緊急利下げを実施したが、通貨ルーブルは反応薄。利下げ発表後、小幅に値下がりしたものの、その後は急速に下げ渋っている。

ロシア株は小幅安。米議会がロシアに対する経済制裁法案を可決したことを受けて、石油株が売られている。

中銀は政策金利を20%から17%に引き下げた。厳しい経済情勢などを踏まえ、29日の定例会合を待たず、3%ポイントの大幅利下げに踏み切り、一段の利下げの可能性を示した。

0915GMT(日本時間午後6時15分)現在、ルーブルは対ドルで0.1%安の75.80ルーブル。前日記録した2月11日以来の高値(74.2625ルーブル)からそう遠くない水準で取引されている。

対ユーロでは0.6%高の81ルーブル。一時2020年7月以来の高値となる80.2225ルーブルに上昇していた。

ロシア国債(OFZ)10年物利回りは、11.62%から11.41%に低下。

キャピタル・エコノミクスはリポートで「2014/15年のルーブル危機の経験が参考になるのであれば、今回のような大幅利下げの後は、はるかに小幅な金融緩和が続く可能性が高い。中銀はインフレを目標水準に戻すため、実質金利を大幅なプラスとすることを目指すだろう」と述べた。

LockoInvestは、年末の金利見通しを15%以下から11─12%に引き下げた。

ルーブルの値動きは不安定で、モスクワ取引所の取引高は過去数週間、平均を下回っている。ただ、ルーブルは、ロシアのウクライナ侵攻前の水準は完全に回復した。