中国、経済支援へ預金準備率0.25%引き下げ インフレ動向注視

Reuters

発行済 2022年04月15日 19:44

更新済 2022年04月16日 07:45

[北京 15日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は15日、全銀行を対象に預金準備率を0.25%ポイント引き下げると発表した。預金準備率の引き下げは今年初めて。この措置で約5300億元(832億5000万ドル)の長期流動性を市中に供給し、減速する経済を支える。

引き下げは4月25日から実施する。一部の小規模銀行には、追加で0.25%ポイント引き下げる。

預金準備率の引き下げは予想されていた。中国国務院(内閣に相当)が13日、預金準備率(RRR)引き下げなどの政策手段を適切に実施して経済を支援するとしていた。

しかし、市場ウォッチャーからは、政策金利引き下げ余地は限られているとの指摘もでている。米国など主要国中銀が利上げに向かう中、追加緩和策は資本流出を招く可能性がある。

人民銀は15日午前、期日を迎えた1年物中期貸出制度(MLF)融資をロールオーバーしたが金利は据え置いた。

ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミストは、引き下げ幅が市場予想以下だったとし、「現段階で経済への重要度はそれほどでもない」と指摘。新型コロナウイルスのオミクロン株とロックダウン政策が経済の主な課題で、流動性拡大は一部の助けになるかもしれないが、根本的な解決にはならないとの見方を示した。

中国銀行は引き続き流動性を幅広く安定させ、インフレ動向や主要国の政策変更を注視するとした。