ロシア中銀総裁、追加利下げ示唆 景気支援に財政出動拡大も

Reuters

発行済 2022年04月18日 18:16

更新済 2022年04月19日 00:19

[18日 ロイター] - ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は18日、追加利下げを示唆した。インフレ率が目標の4%に戻るのは2024年になるとも述べた。

ロシア経済が金融準備で存続できる期間には限りがあるとも指摘、国際的制裁の影響に対処するため経済構造の転換が必要との認識を表明。西側諸国の制裁措置の影響で1994年以来最大の経済縮小に見舞われると予想される中、政府による財政支出の拡大も示唆した。

プーチン大統領はナビウリナ総裁のほか、政府高官とのビデオ会議で、融資活動が滞った場合、経済と流動性の支援に向け国家予算を利用する必要があると指摘。対外貿易の決済をドルやユーロではなく、自国通貨のルーブルで行う手続きの加速化も表明した。

ナビウリナ総裁は議員に対し「経済が準備金で生き残れる期間には限りがある。第2、第3・四半期には構造転換と新たなビジネスモデルの模索という局面に入るだろう」と発言。

これには一部の物品価格の高騰が伴うとみられ、インフレ率は目標を上回る見通しだが、原因は需要の拡大ではなく、供給の不足にあると指摘。ロシアのインフレ率が2002年初め以来の水準に上昇しているにもかかわらず、「(インフレ率を)引き下げるために何らかの手段を用いることはない。そうすれば、企業の適応を妨げることになる」とし「インフレ率の伸びは管理不可能ではないはずだ」とした上で、インフレ目標の4%を24年に達成すると述べた。

総裁は「主要金利をさらに早く引き下げる可能性がなければならない。経済への与信を増やす条件を整える必要がある」と語った。

ロシア中銀はウクライナ侵攻開始直後の2月28日、主要政策金利を緊急的に9.5%から20%に引き上げたが、その後、定例会合を待たず4月8日に17%に引き下げた。29日の次回会合で追加利下げを決定するとみられている。

ナビウリナ総裁は制裁について、主に金融市場に影響しているが「今後、経済への影響が拡大し始める。輸入制限と外国貿易の物流が主要課題で将来的には輸出制限も視野に入る」と述べた。