経済財政運営は2段階で、6月までに「新しい資本主義」示す=岸田首相

Reuters

発行済 2022年04月26日 18:39

更新済 2022年04月26日 20:18

[東京 26日 ロイター] - 岸田文雄首相は26日、原油高・物価高に対応する総合緊急対策の決定後に記者会見し、今後、2段階のアプローチで万全の経済財政運営を行っていくと述べた。今回の緊急対策を第1段階、6月までに取りまとめる「新しい資本主義」のビジョンと実行計画、骨太の方針などを第2段階とする。第2段階は参院選後に総合的な方策を具体化させるとした。

政府は同日、原油価格高騰対策、エネルギー・原材料・食料等の安定供給対策、中小企業対策、生活困窮者などへの支援強化を盛り込んだ事業規模13.2兆円の総合緊急対策を決定した。

原油高への対応では、レギュラーガソリンの基準価格を当面1リットル当たり168円に引き下げるとともに、燃料油価格の一段高にも対応できるよう補填の上限を35円に引き上げる。首相は「仮にガソリン価格が200円を超える事態になっても、市中のガソリンスタンドでの価格は当面168円程度の水準に抑制する」と述べた。

原材料については、ロシアやウクライナからの輸入に頼っていた半導体原料やパラジウムなどの産業用原材料の調達の多様化を進める。輸入小麦は9月まで政府の販売価格を急騰する前の水準に据え置くとともに、国産小麦などへの切り替えを支援する。

中小企業の資金繰り支援では実質無利子・無担保融資を9月末まで延長。生活困窮者への支援として低所得の子育て世帯に対し子供1人当たり5万円の給付金を支給する。

岸田首相はこれを第1段階とし、6月までに「新しい資本主義」のビジョンと実行計画、骨太の方針などを取りまとめて第2段階へ移行するとした。第2段階の財源として参院選後の臨時国会で補正予算を組むのかとの質問には、政策の実現に向けた方策を示したうえで財源を考えていくのが順番だ、として明言を避けた。

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