FRB、将来的にMBS売却検討の公算=NY連銀総裁

Reuters

発行済 2022年05月17日 00:59

更新済 2022年05月17日 05:36

[16日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は16日、連邦準備理事会(FRB)のバランスシートについて、住宅ローン担保証券(MBS)の売却検討が将来的な選択肢になる可能性があるとの考えを示した。

ウィリアムズ総裁は米抵当銀行協会(MBA)で行った講演で、資産圧縮の当初の計画ではMBS売却は検討されていないものの、毎月350億ドルのMBSを償還する目標は「かなり大きい」と指摘。保有資産をおおむね国債にするという長期目標に向け、「FRBの資産圧縮がかなり進展した時点で、(MBS売却が)連邦公開市場委員会(FOMC)が検討する選択肢になる可能性がある」と述べた。

FRBのバランスシート圧縮は「数年にわたり」実施されるとも指摘。保有資産がおおむね国債で構成されるのが最善だが、まだ程遠い状態にあるとの考えを示した。

FRBが国債とMBSの双方を買い入れたことで、国債のみを買い入れた場合よりも、全般的な金融情勢に一段と強い効果があったと指摘。MBSの買い入れは力強いツールだったとの認識を示した。同時に、FRBの主要な政策ツールはフェデラル・ファンド(FF)金利だと明確に示してきたとも述べた。

また、中国で起きていることに加え、ウクライナでの戦争で市場のボラティリティーが高まっていると指摘。FRBの資産圧縮計画は、長期金利にすでに影響を及ぼし始めているとの見方を示した。