ロシア中銀、政策金利11%に下げ 物価圧力緩和で追加緩和視野

Reuters

発行済 2022年05月26日 17:18

更新済 2022年05月26日 22:36

[26日 ロイター] - ロシア中央銀行は臨時の政策決定会合で、主要政策金利を3%ポイント引き下げ11%とした。約20年ぶりの急速な物価高が一服し、経済の縮小が見込まれる中、年内に追加の利下げ余地があるとの見解を示した。

中銀は、ロシアが2月下旬にウクライナ侵攻を開始した直後に、20%に緊急利上げした後、3%ポイントの利下げを2回実施していた。

中銀は声明で「今後の会合での主要金利の引き下げに柔軟」と表明。「家計・企業のインフレ期待の顕著な低下とルーブル相場の動向を受けて、インフレ圧力は緩和している」と指摘した。

ロシア経済の外部環境は依然として厳しいが、金融安定リスクはある程度低下したとし、資本規制の一部を緩和する余地があると説明した。

中銀のナビウリナ総裁は、モスクワで開かれた銀行フォーラムで、ルーブル高により、力強いが一時的なディスインフレ支援が得られたと発言。金融の安定を守り、インフレスパイラルに歯止めをかけることが可能になっていると述べた。

インフレ率は予想以上のペースで鈍化しており、インフレ進行のリスクは大幅に低下したとの見方も示した。

企業や家計のインフレ期待も低下していると指摘。今後の会合での追加利下げは可能だと述べた。

一方で、国内経済は構造的な移行期に入っているとし、銀行は追加の資本支援が必要との見方を示した。

国内経済の対外状況は依然として厳しいが、金融安定へのリスクは一定程度後退したとし、資本規制緩和の余地が一部で生じているとも述べた。

ナビウリナ総裁は、政策金利が1桁台になれば通常の0.25%ポイント幅での金利変更に戻るとの見通しを示した。

総裁はまた、中銀は18─23%としている22年のインフレ見通しをを調整するとし、インフレ率は23年に5─7%に減速し、24年に目標の4%に達するとの予測を示した。