FRB、物価抑制に強くコミット 「大幅な痛み伴わず」=パウエル議長

Reuters

発行済 2022年09月08日 23:39

更新済 2022年09月09日 03:37

[ワシントン 8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は8日、ケイトー研究所で行われた金融政策に関する討論会に出席し、FRBがインフレ抑制に「強くコミットしている」と表明した。

同時に、1980年初めの高インフレ対応で見られたような「非常に高い社会的コスト」を伴うことなく、インフレを制御できる見込みもまだ残されているという見解を示した。

20─21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で予想される利上げの幅については手がかりを示さなかったものの、利上げ計画を撤回しないとの姿勢を改めて強調。「FRBは物価安定の責任を負っている」とし、「現時点ではこれまで通りに力強く行動する必要があり、達成されるまで継続しなくてはならない」と述べた。

その上で、FRBの政策で景気後退が引き起こされ、ポール・ボルカーFRB元議長がインフレと戦った1980年代前半を引き合いに出し、今回はインフレ期待がFRBの目標である2%前後にほぼ固定されているため、より良い結果になる可能性があると指摘。「1980年代に引き起こされたような極めて高い社会的コストは回避できると考えている」と語った。

失業率が予想以上に上昇してもFRBの焦点は物価抑制であり続けるとし、「過去の事例は尚早な政策緩和に対し警告を発している」と述べた。

また、最大雇用と物価安定というFRBの二大責務に矛盾はないと考えており、インフレのみに焦点を当てた単一の責務に移行する状況は想定していないと指摘。「とりわけ現時点において2つの目標が対立するとは全く考えていない。物価の安定なくして、全ての人に恩恵をもたらすような力強い労働市場を持続的に実現することはできないからだ」とし、「中期的」に2つの目標を達成できると確信していると述べた。